柳谷利恵(大学院生)さんが筆頭著者の論文がNext Researchに受理されました
System- and patient-level determinants of Japan’s discharge planning fee uptake among older patients with cancer: A Shizuoka claims cohort study
高齢がん患者における日本の退院支援加算算定のシステムおよび患者レベルの決定要因:静岡県レセプトデータを用いたコホート研究
要約(概要)
本研究は、抗がん剤治療で入院した高齢がん患者について、退院支援加算(2016年改定前は退院調整加算)の算定に関連する要因を検討したものです。算定の有無は患者個人の特性だけでなく、入院先病院の特性および居住地域の訪問看護師数と関連していました。
研究の背景
高齢がん患者の増加を背景に、抗がん剤の副作用による日常生活動作の低下と、退院後の在宅療養の継続が課題となっています。退院支援を評価する診療報酬制度は整備されていますが、実臨床でどのような条件のもとで算定されているかは十分に検討されていませんでした。
研究の手法
静岡県のKDB(国保データベース)を用い、2012年12月〜2017年9月に抗がん剤治療で入院した65歳以上の高齢がん患者3,086人を対象としました。患者要因、病院要因、居住地域の医療資源を同時に組み込んだマルチレベルロジスティック回帰で分析しています。
結果
退院支援加算が算定された症例は全体の11.0%でした。
病院レベルの級内相関係数(ICC)は24.1%で、算定のばらつきの約4分の1が病院間差に帰属していました。
患者要因では、85歳以上、膵臓がん、経口抗がん剤のみでの治療、入院前のデイサービス利用歴が算定との正の関連を示しました。病院要因では2016年の診療報酬改定以降の入院が、地域要因では高齢者人口あたりの訪問看護師数が多い地域が、それぞれ算定との正の関連を示しました。
結論・意義
退院支援の充実には、人員の確保に加えて、病院内の連携体制と地域の訪問看護資源との連携が関連していると考えられます。

