研究プロジェクト

研究プロジェクト1 工学技術とケア情報を統合した看取り支援IoT開発
(企業との産学連携研究)

2022年より包括連携協定を締結しているALSOKとNJIとの共同研究として,文部科研基盤A「工学技術とケア情報を統合した在宅高齢者と家族と医療介護職向け看取り支援IoT開発」を得て,科学的なアプローチ(機械学習など)による新たな介護・看護サービスの創出,社会実装を目指した研究を行っています.

在宅終末期療養者と家族介護者と医療介護職3者を対象に,看取りまでの在宅ケア期間中に,以下のデータを連続的にIoTを用いてデータ集積し分析しています.

  1. 療養者の「状態データ」
  2. 医療介護職の「ケアデータ」
  3. 療養者の「評価データ」

研究プロジェクト2 NDB・介護DBを用いたAIプロトタイプの開発と分析結果を根拠とした医療介護特性別の最適介入

厚生労働科学研究費補助金臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業「ナショナルデータベースや介護保険総合データベース等を活用した医療・介護特性を総合的に捉えたAIプロトタイプの開発と分析結果を根拠とした医療介護特性別の最適介入(2022年度)」を得て,病院・施設・在宅という場を超えたケアの質の担保,及び,医療経済的観点を統合した住民個々への医療介護資源の効率的な再分配,健康・医療分野における行政政策に資する科学的根拠の創出を目指した研究を行っています.

  1. NDBと介護DBを連結し,主疾患,併存疾患,要介護度やIADL等の医療と介護特性を考慮した予後予測等のAI分析プロトタイプの開発に向けた研究を行っています.
  2. 予後予測等に関するAIプロトタイプの医療現場における社会実装のあり方や今後の課題を検討していきます.

研究プロジェクト3 介護・医療レセプト分析による訪問看護利用者の特性別訪問看護の最適ケアパッケージの提案

厚生労働科学研究費補助金長寿科学政策研究事業「介護及び医療レセプト分析による疾患並びに状態別の最適訪問看護提供パッケージの提案と自治体担当者向けの訪問看護実態可視化ツールの開発(2020年度)」,「国保データベースを用いた医療及び介護における訪問看護サービスの質向上に向けた効果的・効率的な提供方策の提案(2023年度)」を得て,訪問看護サービスを中心に,効果的かつ効率的な医療・介護サービスの提供に資するエビデンスの創出を目指した研究を行っています

  1. ビッグデータを利用して,介護保険利用者を疾患・状態別に捉え,訪問看護を中心とした医療介護サービス利用実態に応じた,医療介護サービスの最適提供の提案を目指したアウトカム比較を行っています.
  2. 利用者を疾患・状態別に捉え,医療介護サービスの最適提供に繋がる訪問看護利用の提案として,自治体担当者向けの分析可視化ツールの作成を行っています.

研究プロジェクト4 データプラットフォームの構築および高齢者の状態悪化の予防から看取りまでのトータルヘルスケア実現に向けた統合的ソリューションの開発
第4期ミッション実現戦略

2023年度より,高齢者施設に入居中の高齢者やその家族,働くスタッフを対象に,各種センサやIoT,ケア情報を活用した高齢者の状態悪化の予防から看取り,家族や働くスタッフのwell-beingの実現に向けたトータルケアを可能にする新たなサービスの創出および実装に向けた体制を構築しています.

研究プロジェクト5 科学的介護情報システムを活用した在宅療養者の緊急入院・回避可能な入院の予防ツールの開発

2024年度から在宅療養者へも拡大する科学的介護情報システム情報を活用して緊急入院と回避可能な入院を予防し得る推奨ケアを提案する予防ツールを開発することを目指しています.

【STEP1】
①科学的介護情報システム(LIFE:Long-term care Information system For Evidence),②状態,③ケア,④医療データを得る.これらのデータを統合し,緊急入院を肺炎・転倒等・持病の悪化等の主因別に分類し,主因別緊急入院のリスク及び回避可能な緊急入院リスクを算出する.
【STEP2】
緊急入院のリスク予測と緊急入院を防ぐ推奨ケアを搭載した緊急入院予防ツールを開発する.
【STEP3】
予防ツールの実装を目指す.

研究プロジェクト6 高齢者施設における終末期ケアの質改善に向けた介入プログラムの開発

本研究では,高齢者施設で実行可能な入居者の終末期ケアの質を改善するために有効な教育介入を開発し,実施・評価する.

現時点で予定している研究活動は,①高齢者施設における終末期ケアの質を改善するためのシステマティックレビュー,② 教育介入の開発,③介入研究による効果の検証,④ 普及を見据えた介入プロセスの評価し,他の高齢者施設における介入の普及と実装につなげる.